奥入瀬渓流

奥入瀬を歩いていると、圧倒的な緑に眩暈がしそうである。
その感じをそのまま切り取るのもいいけれど、あえて色を捨てたモノクロームの世界に惹かれたということにしておく。

ESSAY 0001 色のない森で、質感を探す

2026 / AOMORI / OIRASE

色という情報が消えると、それまで見えていなかったものが急に主張し始める。 注意深くなるのか、年齢のせいで目にやさしいのかわからないが。 シダの葉の一枚一枚が持つ複雑な幾何学模様。樹皮のゴツゴツとした手触り。 熊を思い出す。

そして、幾重にも重なる葉の隙間を縫って届く、柔らかな光のグラデーション。 普段、システムやコードといった整然としたストレスの世界に向き合っているからだろうか。 こうした自然が描く、不規則でいて完璧な造形美を眺めていると、理不尽なタスクを思い出す。

お洒落な観光スポットを急いで巡るよりも、ただこうして余暇を楽しみ、森の音に耳を澄ませる。 そんな、目的のない贅沢な時間が、一番の贅沢だった。

でも、熊が怖い。多いからね。。。